Development of new sensor & actuator

 人間の手指や腕には多数の触覚器官があり、

周辺の物体との接触を敏感に検知することができます。また、その関節は位置をコントロールできるだけでなく、柔らかさも調整可能です。

 一方で現在、産業分野で使用されているロボットのほとんどが、人間と比べると限られたセンシング機能しか持っていません。また関節の柔らかさを調整可能なロボットハンドもほとんどありません。このため、ロボットで柔軟物を変形させずに高速操作することや、ハンドの指先を衝突させながら物体を把持することは、人間にとっては簡単でもロボットには非常に難しいタスクです。


 そこで当研究室では、ロボット用の距離センサ(近接覚センサ)を開発し、距離ゼロミリを検出することで物体との接触を検出する新たな方式を提案しています。ロボットの触覚センサは1)検出の感度と2)精度、3)耐久性の全てを両立することは難しいですが、この方式を用いることで1)~3)の特徴を持つ超触覚センシングが可能です。さらに距離センサですので、非接触時は物体との距離を検出し、ハンドの指先位置を正確に調整できます。

 さらに駆動系の摩擦が極端に小さい小型アクチュエータ(マグリンケージ)も開発しています。これは、磁石歯車と機械式の歯車の組み合わせギアユニットを持つアクチュエータで、高速で広帯域な力制御を可能とするものです。マグリンケージを備えたロボットハンドにより、机にハンド指先を衝突させつつ、トランプを把持するなど従来のロボットには難しいタスクを実現しています。